『中村伸一所長』のコラム 「ビジネスマッチングは、なかなか上手く行かなかった。」
『中村伸一所長』のコラム
「ビジネスマッチングは、なかなか上手く行かなかった。」
今から11年前に、山口市で始まった山口市産業コーディネーター事業を請負い
5年半の間、山口市産業コーディネーターマネージャーとして仕事をしていました。
業務には経営相談、起業支援、企業連携、産学連携という4つの柱があり、個別相談やセミナーの運営などを行う、かなり充実した活動をしてました。
当時、このようなコーディネータ制度は全国的にも稀な取り組みとして話題になりました。
起業支援については、山口市を起業家が集い、起業家を生み出すことでの成果と基盤をつくることができました。
しかし企業連携、いわゆるビジネスマッチングは、なかなか成果を生み出すことができませんでした。
ビジネスマッチングには、まずコーディネーターの能力が左右します。
経験値や企業を見る能力、行動力が必要です。
最初の頃は、ビジネスマッチングは紹介することだと思っていました。でもこの考えでは大失敗。
紹介程度では、成果が生まれにくい。そしてトラブルの発生も起こりやすかった。
要は依頼された事業者、紹介する事業者のことを理解しておく必要があるわけですが
ものの数十分の面談ではなかなか掌握できるわけありません。
本当にマッチングに結びつけるには、コーディネーターが時間をかけて、熱をもって対応する必要があり、
専属的な動きも必要になります。しかし産業コーディネーター事業は幅が広くてこのような活動を十分行うことはできませんでした。
今の仕事柄、時々、事業者の紹介を頼まれることがありますが、コンサル先やコンサルティング契約前提でないと引き受けないのは
ちゃんとした形で対応しないと、依頼先、紹介先に対して迷惑をかけてしまうからです。
またビジネスマッチングが難しい理由には、依頼者、紹介者が進行や判断をコーディネーターに依存する事が多くなり、
能動的な行動が起こさないこともあります。
僕自身これには多く悩まされました。ビジネスマッチングに時間がかかる理由はここにもあります。(ボランティアではできません。)
5年半の山口市産業コーディネーターの終える間近に、このビジネスマッチングに変わり、事業者同士の連携で成果が生まれやすい
仕組みを共創することができました。
それが、コラボレーションを生み出す手法であり、その運用を始めたコラボネットワークなのでした。