【中村伸一所長のコラム】20年ぐらいインターネットの仕事をしてきて
ICTが日々進化し新しいビジネスモデルが生まれている事から様々なインターネット活用の手法があり、利用する側も何から着手していいのか迷うところです。
とは言え最初に考えるのは、ホームページを開設しようということになると思います。しかし、ここで認識しておいていただきたいのは、ホームページに過大な期待を抱かないということです。
特に、ネット販売をすれば自社の商品が売れるだろうと安易に思いがちですが、そう上手くはいきません。
ネット通販を行った事業者の勝ち組と負け組の大きな違いは、本気度です。
本気度、抽象的な表現ですが、事業者がどれだけ本気で時間とコストをかけて、ネット通販に取り組んだのかということになります。
私が、IT事業者としてホームページ作成の営業をしていた頃の事例になりますが、楽天や自社の通販サイトで販売を急増させた小売店があります。現在もネット販売は、順調なようです。
販売を急増させた大きなポイントをお聞きしたところ、それはネットを通しての対応だったそうです。ネットで商品の販売を手がけると、お客様より問い合わせのメールが来ます。何度か問い合わせの返事を書いているうちに、返事の書き方によってお客さんからの反応が違うことがわかり、対応方法を研究した結果、購入までの行動を縮める独自のノウハウが完成したそうです。また、商品やサービス、お客様対応に対するクレームも寄せられます。
店舗販売だと、対面販売が大半ですから、クレームの状況や感情面も直視しながら対応ができます。しかしネット販売の場合は、メールによる文章でのクレームが大半であり、文章での対応をしなければなりません。メールでの対応は、相手を推察しながら文章を書かないといけないので、場合によっては誤解を招いたりして、大きなトラブルに発展する可能性もあります。ネット販売においては、クレーム対応への対策を事前に考えておくことが大切になます。
先程の小売店も、受発注に関するクレーム、納品に対するクレーム、保障に対してのクレーム等、多岐に渡るクレームに対応し、お客様からの信頼を得た結果、販売実績の向上に結びつきました。失敗を繰り返しながらも時間をかけてノウハウを蓄積したことが成功の要因だったわけです。また、ここで大切なのがこの対応方法を会社として通販事業者としてマニュアル化したことでした。
お客様へのメール対応だけでも、手間がかかります。発生する面倒な作業も時間をかけて取り組まなければなりません。
ネット通販で実績をあげるために、事業者がいかに本気で取り組むかが大切です。