ローカルイノベーションを実現する「インキュベーションマネージャー」の資質
7年振りにインキュベーションマネージャーの仕事をするようになって、1ヶ月経ちました。
12年前にインキュベーションマネージャーの仕事に就いた時は、全国を見渡しても参考にする事例も無くて、2年間は手探り状態で、起業家を育てるプログラムを作成して、伴走型の創業者支援をしていました。
正直、相談者が来られた時には、どのような対応をしたらいいのか、不安な中、ドキドキしていましたが、伴走型相談対応をする中で、わかったのは、相談者の話を「聴くこと」そして「整理する」ことでした。
この2つが出来れば、相談者の悩みは高い確率で解消に向かいます。
そして、この伴走型相談対応から私自身の「質問力」「傾聴力」が向上しました。
インキュベーションマネージャーが持たなければいけない能力としては、まず「質問力」「傾聴力」です。
次にインキュベーションマネージャーが持たなければいけない能力は、情報収集能力。
多分野、他業種の情報を持っていることが必要です。
12年前のインキュベーションマネージャー時代は、地域密着だったので2年間は通用していたものの、3年目からは全国のインキュベーションの取組みを学びに行きました。ここでインキュベーションの人脈が出来たのが大きいです。
また幅広い情報を持っていなければ、ビジネスマッチングもできません。
創業塾の講師もしていましたが、創業塾の講師とインキュベーションマネージャーの大きな能力の違いは、企画力と運営力。
いわゆるプロデュース能力です。
創業塾のような、決まったカリキュラムを講師として行うだけでなく、自らがセミナーやイベントの企画を作り、プログラムを作成
し運用する。また広報や広告、営業を行って集客まで行う事ができなければ、インキュベーションマネージャーはつとまりません。
5年半インキュベーションマネージャーを務めたときに、どのような人がインキュベーションマネージャーがつとまるだろうかと
考えた時に出た答えは、
「能力としては、スペシャリストではなくてゼネラリスト」です。
そして、インキュベーションマネージャーのプロフェッショナルなるということでした。しかし、インキュベーションマネージャーの
仕事が終わってからは、一気に創業、ベンチャーブームが去り、
インキュベーションマネージャーを必要とする事業が生まれてきませんでした。
そして今年、防府市創業支援センターのシニアインキュベーションマネージャーに就任しました。
「なぜシニアなの?歳だから?」
と、尋ねられることがあります。
それは、
「私は、インキュベーションマネージャーのプロフェッショナルだから」
と、答えています。