【中村伸一所長のコラム】リテール・シェア・サポートを導入する①
【リテール・シェア・サポートを導入する】
1980年代、リテールサポートは活発に行われていました。
リテールサポートは、小売店支援と訳されています。販売会社、卸会社、製造メーカーが
自社の商品を小売店から多くの消費者に買っていただくために支援することをいいます。
リテールサポートには、販売支援、物流サービス支援、情報化支援という3つの機能があります。
私は、今から23年前に松下電器産業(株)の販売会社にて8年間リテールサポート営業に従事して、販売店の販促を手伝っていました。
情報化支援をするための装置であるPOSシステムの営業もしていました。当時、松下電器産業(株)とアサヒ飲料(株)とが提携し、酒販店にPOSシステムの導入を進めていました。アサヒ飲料(株)のリテールサポート営業マンは、POSシステムの販売データから売上げを分析し、酒販店における自社の商品の占有率向上を目指し、売れる棚の確保、効果的なPOPを作成して販売に結びつけるといったリテールサポートを実践していました。
アサヒスーパードライが1998年にビール部門でシェア(市場占有率)が1位になったのは、リテールサポート力も活かされていたからだといえます。
リテールサポートは、最初は小さなところからの積み重ねになりますが、大きな成果に結び付く手法でもありました。
しかしながら、1990年代になると業務の効率化、特に物流サービスの効率化がメーカーで取組まれることになり、販売会社、卸会社の不要論が世の中で言われ始めました。そして販売会社、卸会社の縮小、特に地方からは撤退が始まりました。
また、インターネットの普及によって、製造小売り→消費者というビジネスモデルが浸透していくにつれ、リテールサポートという言葉すら死語のようになりました。
ところが近年、リテールサポートが各業界で再注目されるようになりました。
何故でしょうか。それは、販売支援機能が小売店で必要になってきたからです。